住宅取得資金贈与の注意点

昨日、愛知県の緊急事態宣言が解除されましたが、急に経済が動き出した感じで、昨日は珍しく電話が数回鳴りました。ただ、まだまだ

不安もありますね。写真は空がキレイだったので近隣の滝ノ水公園まで散歩に行ってきたものです。

 

今日の話題は住宅取得資金の贈与についてです。住宅取得資金の贈与については現在最大で3000万円まで非課税とすることができます。

 消費税増税による住宅取得の需要の落ち込み対する経済対策とも言えますが、この贈与の非課税制度を使うことで将来の相続税額の大幅

 な 節税にもつなげることができると思います。また前回のテーマの相続時精算課税制度を受けた場合とは違い非課税なのが大きいです。

 そもそも非課税なので3年内贈与加算に該当することもありませんから、是非使いたい制度ですよね。      

 

ところで、この住宅取得資金贈与ですが、住宅取得のための贈与ならなんとなく使えると安易に考えている方も多いと思いますが、非課

税枠が大きいだけに特例要件にも注意が必要です。

 

ます第一にこの特例は贈与を受けた翌年の確定申告の期限内の申告が絶対的な要件となっています。他の特例には「やむを得ない事情が

あった場合には・・・」というような宥恕規定というものがあったりして、期限後申告でも認められる特例も多くありますが、この住宅

取得資金の贈与の特例は期限後申告は税務署は一切認めてくれません。もし3000万円の贈与を受けて申告期限を過ぎてしまった場合には

1000万円以上の贈与税を払わないといけなくなります。

 

次の注意点ですが、この特例はあたりまえですが贈与を受けた資金を住宅の取得に充てることが要件とされております。ここで誤解が多い

のが、贈与を受けた資金を住宅取得に充てた時期がポイントとなります。

例えば今年に土地取得のために贈与を受けたけど、住宅については人気の設計士さんやデザイナーさんに依頼しているから住宅の完成が

2年後になってしまう合はどうでしょうか?

 

この特例では贈与を受けた翌年の315日には住宅を取得(完成もしくは棟上げの状態)していることが適用要件となっていますので適用

不可となります。

 

もう少し具体的な例を揚げると令和元年の11月に建築請負契約を結び手付金1000万円を贈与による資金で支払をしました。残りの2000

万円はローンを組む予定ですが、ローンが下りるのは引渡し予定である6月直前です。このような場合は贈与を受けた翌年の315日まで

に建物を取得(棟上げの状態まで完了)していないと特例が受けられないことになりますので贈与の時期については十分に注意が必要です。

 

一般的にはローンは最後で手付金や中間金の支払いで贈与を受けるケースが多いと思いますので年を跨いでの贈与は建物の完成時期も含め

た十分な検討が必要です。(ただし今年に限っては新型コロナウイルスの影響で条件緩和措置がある可能性がありますので詳しく税務署に

お尋ねください)

 

最後に住宅取得資金の贈与はほとんどの方の相続税の節税につながることは間違いないのですが、場合によっては節税にならない場合も

あります。(少し富裕層向けです) 

 

例えば二世帯住宅を取得するにあたって子世帯が贈与を受けずに使用貸借で居住するとします。この場合贈与による資産の移転はありま

せんが、その財産は家屋になり、評価額は固定資産評価額によるものになります。固定資産評価額は取得価額の半分以下、場合によっては

3分の1以下になることがありますし、その評価額将来に渡って価値はさらに下がっていきます。

 

この場合に将来所有者に相続が発生すると条件にもよりますが、小規模宅地等の特例が使えることもあるので、地価が高い土地の場合は

贈与を受けずに使用貸借で住み続けて小規模宅地の特例を受ける方が全体的な税額は安くなる場合もあります。

なお平成30年の税制改正で単世帯の一軒家を親名義にして使用貸借として住んでいた場合は、いわゆる家なき子の特例で小規模宅地の特例

は使うことができなくなっておりますので注意が必要です。その他にも生前に多額な贈与を受けている場合は遺産分割時に揉める要素にも

なりますのでトータル的な検討が必要ですね。

 

 住宅取得資金の贈与等をご検討の方はファイナンシャルプランナーでもある相続専門税理士が長期的な相続対策をご提案しますので、

 当税理士までご相談ください。