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改正民法(相続法)について (第二回)

前回は配偶者居住権の件をお話しましたが、権利関係が複雑になって、売却もしづらくなったり、配偶者が住まなくなった時に贈与課税の問題が生ずるなどまだまだ問題は多そうです。

 

今回は自筆証書遺言の改正のことについてお話いたします。

昨今、終活などのセミナーなど数多く開催され、最近では「人生会議」の厚労省のポスター取りやめなどが話題になるなど、今までならあまり考えたくなかった話題も多く触れられるようになりました。

 

自筆証書遺言とは遺言者本人が直筆で本文、日付、署名、押印すれば作成できる簡単なものですが、本人が全文を直筆で書かなければいけない等の手間や、いざ亡くなった後に遺言書がどこにしまってあるかわからないなどの紛失であったり、形式的な要件不備で無効される場合があるなど色々問題点がありました。

今回の改正では全文自筆の要件が財産目録だけはパソコンなどで作成することも可能になりました。(2019年1月施行済)高齢者の方で財産の隅々まで直筆で記載するのは困難な場合もありますので、財産目録だけでも家族のサポートを受けてパソコン作成が認められれば、随分作成しやすいですね。

 

また、いままで自宅等で保管していた遺言書を法務局において保管も2020年7月以降に可能となります。法務局に預ける場合は担当官が形式要件もチェックしますので、この改正により有効な遺言書を作りやすく、保管しやすくなるということです。

この機会に家族に想いを伝えたいという場合は手軽に作成できる自筆証書遺言も書いてみるの良いでしょう。

 

但し現実の相続の世界では多くの争いごとがありますので、遺言を確実に実行したい場合は、手間と手数料がかかりますが、公正証書遺言による遺言をお勧めしております。当事務所では遺言作成支援も司法書士など他の仕業とも連携しておりますので、お気軽にご相談ください。